SECURITY ACTIONの宣言方法【2026年版】|GビズIDでの申し込み直しと一つ星・二つ星の違い

「補助金の申請にSECURITY ACTIONが必要と言われたけれど、前に宣言した気がする」「一つ星と二つ星、どちらにすればいいのかわからない」——補助金の準備で、こうした声をよく聞きます。SECURITY ACTIONは2026年4月に申し込み方法が大きく変わり、以前の宣言のままではデジタル化・AI導入補助金に使えないケースが出ています。この記事では、IPAの公式情報をもとに、宣言の手順と一つ星・二つ星の選び方を整理します。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- SECURITY ACTIONは、中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことを自分で宣言するIPAの制度。2026年4月からGビズID(プライムかメンバー)でログインする管理システムで申し込み、宣言IDはその場で発行される
- デジタル化・AI導入補助金では、2026年3月以前の宣言(「4」で始まるID)は使えない。補助金の申請と同じGビズIDで申し込み直す
- 補助金の要件はどちらでも満たせるため、急ぐなら一つ星から。取引先へのアピールや一部の助成金には二つ星(自社診断+基本方針の公開)が必要になる
SECURITY ACTIONとは|IPAの「自己宣言」の制度
SECURITY ACTIONは、中小企業が自ら情報セキュリティ対策に取り組むことを宣言する、IPA(情報処理推進機構)の制度です。2017年に、IPAと中小企業関係団体が中小企業のセキュリティ対策を広げるための取り組みとして始めました(出典:IPA「SECURITY ACTION|デジタル化・AI導入補助金」、2026年10月26日確認)。
押さえておきたいのは、審査や認定の制度ではない点です。IPAは、宣言した会社の対策状況を認定するものではないとしており、Webサイトなどで「一つ星の認定を受けました」「二つ星を取得しました」と書くのは不適切な例として挙げています。表記は「一つ星(二つ星)を宣言しました」が適切とされています(出典:IPA「SECURITY ACTION 自己宣言の申込方法」、2026年10月26日確認)。
それでも多くの会社が宣言するのは、補助金の申請要件になっているからです。IPAの一覧では、デジタル化・AI導入補助金のほか、介護テクノロジー定着支援事業・導入支援事業、DX認定制度、東京都中小企業振興公社のサイバーセキュリティ対策促進助成金、埼玉県の補助金(加点対象)などが、SECURITY ACTIONを申請要件や加点対象にしている制度として挙がっています(出典:IPA「SECURITY ACTIONを申請・加点要件としている補助金・助成金等の一覧」、2026年10月26日確認)。制度ごとに必要な段階(一つ星か二つ星か)が違うので、使う予定の補助金の公募要領で確認してください。
SECURITY ACTIONの一つ星と二つ星の違い
一つ星は「これから基本の対策に取り組む」宣言、二つ星は「自社診断をして方針を公開した」宣言で、デジタル化・AI導入補助金の要件はどちらでも満たせます。違いを表にまとめます(出典:IPA「『一つ星』を宣言する」「『二つ星』を宣言する」、2026年10月26日確認)。
| 項目 | ★ 一つ星 | ★★ 二つ星 |
|---|---|---|
| 宣言する内容 | 「情報セキュリティ6か条」に取り組むこと | 「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」を実施し、「情報セキュリティ基本方針」を定めて外部に公開したこと |
| 事前にやること | なし(対策の実施前でも申し込める) | 自社診断(25項目)の実施と、基本方針の策定・公開を申し込みより前に済ませる |
| 基本方針の公開方法 | 不要 | 自社サイトへの掲載、会社案内・パンフレットへの掲載、その他の方法から選ぶ |
| デジタル化・AI導入補助金 | 要件を満たす | 要件を満たす |
| 向いている会社 | まず補助金の要件をそろえたい会社 | 取引先に取り組みを示したい会社、二つ星が要件の助成金を使う会社 |
一つ星の「情報セキュリティ6か条」は、2026年3月の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」第4.0版で、これまでの5か条に「バックアップを取ろう!」が加わったものです。中身は次の6つです。
① OS・ソフトを最新に
パソコンやスマホ、使っているソフトの更新を後回しにしない
② ウイルス対策ソフト
業務で使う端末にウイルス対策ソフトを入れる
③ パスワードを強化
長く推測されにくいパスワードにし、使い回さない
④ 共有設定の見直し
クラウドやファイル共有で、関係者以外が見られる状態になっていないか確認する
⑤ バックアップを取る
ランサムウェアや故障に備えて、大事なデータの控えを取る(2026年3月に追加)
⑥ 脅威や手口を知る
詐欺メールなどの最新の手口を社内で共有する
二つ星の基本方針は、ガイドラインの付録2にWordのサンプルがあり、自社の事情に合わせて書き換えるだけで作れるようになっています。自社サイトのお知らせや会社概要のページに載せる形が、手間の少ない公開方法として現実的です。IPAによれば、2026年3月以前に宣言済みの会社も、ガイドライン改訂版の内容を踏まえて取り組むものとして扱われ、改訂を理由に宣言し直す必要はないとされています。
SECURITY ACTIONの宣言の手順(2026年4月以降)
SECURITY ACTIONの宣言は、GビズIDを用意すれば、管理システムでの申し込みから宣言ID・ロゴマークの取得まで当日中に終わるのが基本です。IPAは、GビズIDの取得からロゴマークの使用まで最短1日で可能としつつ、メンテナンスなどで使えない期間もあるため余裕を持つよう案内しています(出典:IPA「SECURITY ACTION 自己宣言の申込方法」「SECURITY ACTION管理システムリリースのご案内」、2026年10月26日確認)。
STEP1:一つ星か二つ星かを決める
二つ星にする場合は、この時点で自社診断と基本方針の公開を済ませておきます。一つ星と二つ星を同時に申し込むことはできません。
STEP2:GビズIDを用意する
管理システムにはGビズIDプライムまたはメンバーでログインします。エントリーは使えません。法人・個人事業主ともにプライムの取得が案内されています。補助金に使う予定なら、補助金の申請に使うのと同じGビズIDを使います。
STEP3:管理システムで申し込む
個人情報の取り扱いとロゴマーク使用規約に同意し、事業者情報と宣言の内容を入力します。法人の場合、事業者名・都道府県・市区町村・業種・取組段階がIPAのサイトで公開されます。
STEP4:完了メールで宣言IDを確認する
申し込みの直後に「5」で始まる11桁の自己宣言IDが届きます。メールが見当たらない場合は、管理システムにログインしてマイページで確認できます。
STEP5:ロゴマークを使う(任意)
マイページからロゴマークをダウンロードできます。使用ガイドラインに沿って、名刺や会社サイトに載せられます。
GビズIDプライムをまだ持っていない場合は、ここがいちばん時間のかかる工程です。GビズIDの公式サイトでは、オンライン申請は速やかに審査される一方、書類申請の審査は最大1か月とされています(出典:GビズID公式サイト、2026年10月26日確認)。取得の流れはGビズIDの取得方法|補助金申請に間に合わせる手順とコツで整理しています。
SECURITY ACTIONの申し込み直しが必要なケース
デジタル化・AI導入補助金を使うなら、2026年3月以前に宣言した会社も、補助金と同じGビズIDで申し込み直すのが原則です。IPAは、補助金の第2次公募(2026年5月12日17時)以降は、「4」で始まる11桁の旧IDでは申請できないとしています(出典:IPA「SECURITY ACTION|デジタル化・AI導入補助金」、2026年10月26日確認)。
申込フォームから申し込み(ログイン不要)。IDは「4」で始まる11桁。ID通知まで1週間程度、ロゴは2〜3週間後。デジタル化・AI導入補助金には使えない。ほかの補助金では引き続き使える場合がある
GビズIDでログインする管理システムで申し込み。IDは「5」で始まる11桁で、申し込み直後に発行。ロゴもすぐダウンロードできる。登録情報の変更・停止もマイページで即時反映
補助金以外にも、次のような場合は新しい管理システムで申し込み直すよう案内されています。
- 一つ星から二つ星にステップアップしたいとき
- 事業者名・所在地・担当者などの登録情報を変えたいとき
- 以前の自己宣言IDやロゴマークのZIPファイルのパスワードを忘れたとき(2026年4月からは、事務局に問い合わせても旧IDは教えてもらえません)
- 申し込み時の通知メールを再送してほしいとき
新旧のIDを両方持つこと自体は問題ないとされていますが、IPAは、管理システムで申し込んだ会社の旧IDは中止の処理をする予定としています。申し込み直したら、以後は新しいIDを使ってください。なお、デジタル化・AI導入補助金以外の補助金では3月以前の宣言で申請できるとされていますが、今後変わる可能性もあるため、各制度の公募要領で確認が必要です。
SECURITY ACTIONの宣言でつまずきやすいポイント
つまずきポイント1:補助金と別のGビズIDで宣言してしまう
社長個人で取ったGビズIDと、会社で取ったGビズIDが別々にある、というケースは珍しくありません。IPAのよくある質問では、補助金の申請とは異なるGビズIDでの申し込みは「いいえ」とされています。申し込む前に、補助金の申請でどのGビズIDを使うかを社内で確認しておくと安心です。
つまずきポイント2:支援事業者に代わりに申し込んでもらおうとする
IPAは、IT導入支援事業者による代理申し込みをしないよう求めています。SECURITY ACTIONは自社の宣言なので、操作は自社で行います。手順自体は短いので、GビズIDの準備さえできていれば、担当者が1人で進められる内容です。
もう1つ、締切の直前はGビズIDのメンテナンスにも注意が必要です。たとえばGビズIDの公式サイトでは、2026年10月26日20:15〜23:30に法人のオンライン申請を止めるメンテナンスが告知されています。デジタル化・AI導入補助金の通常枠・セキュリティ対策推進枠などの締切は2026年10月30日(金)17:00と案内されていますが、宣言は締切の数日前までに済ませておくのが現実的です。メンテナンスの予定はGビズIDのメンテナンスの速報でもまとめています。
SECURITY ACTIONを宣言したら使える補助金
SECURITY ACTIONの宣言が済むと、デジタル化・AI導入補助金に申請できる条件の1つがそろいます。セキュリティ対策そのものにお金をかけたい場合は、同補助金の「セキュリティ対策推進枠」で、IPAが登録する「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の導入費と利用料の一部が補助の対象になります。補助額・補助率・申請の流れはセキュリティ対策の補助金|セキュリティ対策推進枠の対象・上限・申請の流れで、AIツールなどの導入に使う通常枠はデジタル化・AI導入補助金のガイドで整理しています。補助金の対象・上限・締切は公募回・年度で変わるため、最新は事務局の公式サイトで確認してください。
宣言はスタート地点です。宣言した6か条を実際に社内で回すための優先順位は、中小企業のセキュリティ対策ガイド|まずやる5つと費用を参考にしてください。
よくある質問
Q. SECURITY ACTIONの宣言に費用はかかりますか?
A. IPAのSECURITY ACTIONの案内には、申し込みの費用についての記載はなく、管理システムでの申し込みは自社で行えます。GビズIDの取得も無料です。ただし、二つ星で基本方針を自社サイトに載せる際に制作会社へ更新を依頼するなど、周辺の作業で費用がかかる場合はあります。最新の条件はIPAの公式サイトで確認してください。
Q. 一つ星で宣言したあと、二つ星に変えられますか?
A. 変えられます。自社診断を行い、基本方針を作って公開したうえで、二つ星として申し込みます。一つ星と二つ星を同時に申し込んだり、両方のロゴマークを同時に使ったりはできません。2026年3月以前に宣言した会社がステップアップする場合は、新しい管理システムで申し込み直すよう案内されています。
Q. 宣言したことは、取引先から確認できますか?
A. 管理システムで宣言した会社は、IPAの「宣言事業者検索」で、事業者名や都道府県から検索できます(検索にGビズIDのログインは不要)。2026年3月以前に宣言した会社は検索には表示されず、宣言事業者一覧(PDF)で確認する形です。取引先に示したい場合は、新しいシステムでの申し込み直しも検討するとよいでしょう。