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約束手形の最終振出期限は2026年9月30日|中小企業庁・公取委が「支払の適正化」を要請、中小企業にとっての意味

公開:2026.09.04 / AI参謀 編集部
約束手形の最終振出期限は2026年9月30日|中小企業庁・公取委が「支払の適正化」を要請、中小企業にとっての意味

中小企業庁と公正取引委員会が連名で、約束手形の利用廃止を踏まえたサプライチェーン全体での支払の適正化を各事業者団体・金融機関に要請しました。紙の手形・小切手は2026年9月30日が最終振出期限、2027年3月末には電子交換所での交換が終了する予定です。「手形で受け取っている」「手形で払っている」どちらの中小企業にとっても、資金繰りの前提が変わる節目にあたります。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • 事実:中小企業庁・公取委が事業者団体等と金融機関に支払適正化を要請(ミラサポplus掲載は9月3日)。紙の手形・小切手の最終振出期限は2026年9月30日、手形交換の終了は2027年3月31日。取適法では2026年1月1日以後の発注分から手形払いが禁止済み
  • 意味:受け取る側は長い支払サイトが縮まり、現金化が早まる方向。振り出す側は電子記録債権(でんさい)や振込への切り替えが避けにくく、資金繰り計画の組み直しが必要になりやすい
  • アクション:取引先ごとの支払条件を棚卸しし、9月中に金融機関へ切り替え方法を確認。60日を超える支払サイトは交渉の材料になる

発表の事実

ミラサポplusに2026年9月3日付で「約束手形の利用廃止を踏まえたサプライチェーン全体での支払の適正化について」が掲載されました。要請の骨子は次のとおりです。

項目内容・日付
取適法(中小受託取引適正化法)2026年(令和8年)1月1日施行。同日以後の発注に係る製造委託等代金の支払に手形を交付することを禁止
支払期日の考え方物品等の受領から60日以内に設定し、現金による支払を推奨
独占禁止法上の支払告示2027年(令和9年)4月1日施行。60日以内の代金支払
紙の手形・小切手最終振出期限 2026年(令和8年)9月30日/電子交換所での交換終了 2027年(令和9年)3月31日
金融機関への要請支払サイト短縮に取り組む事業者への資金支援、電子記録債権などへの円滑な移行支援

要請文では、取適法の対象外の取引も含めて「サプライチェーン全体で」支払サイトの60日以内への短縮と現金払いを進めることが求められています。つまり、法律で禁止される範囲だけでなく、商慣行としての手形払い・長期サイト全体を見直してほしいというメッセージです。

なお、金融機関ごとの手形・小切手の受付終了時期や、でんさい(電子記録債権)への移行手順は各行の案内に従う必要があります。日付は政府の要請文にもとづく予定であり、取引金融機関に個別に確認してください。

中小企業にとっての意味

影響は立場によって正反対に出ます。

受け取る側(受託側・下請側)にとっては、追い風とみられます。90日・120日といった長い手形サイトは、売上が立っているのに現金が入らない期間を生み、中小企業の資金繰りを圧迫してきました。60日以内の支払と現金化が広がれば、その分だけ運転資金の負担が軽くなる方向です。取引先から「手形の代わりに一括決済方式や電子記録債権にする」と提案された場合は、支払期日が受領から60日以内に収まっているかを確認する材料になります。取適法では、支払期日を超える満期を設定した一括決済方式や電子記録債権による支払は原則として支払遅延にあたるとされています。

振り出す側(発注側)にとっては、資金繰り計画の組み直しが必要になりやすい局面です。手形で先延ばしにしていた支払が前倒しになるため、一時的に資金需要が増える可能性があります。今回の要請では金融機関に対して、支払サイト短縮に取り組む事業者への資金支援が求められており、「サイトを縮めるので運転資金の相談をしたい」という話は通しやすくなっているとみられます。

「うちは手形を使っていない」でも無関係ではない

手形を使っていない会社でも、取引先の支払サイトが60日を超えていれば今回の要請の対象です。9月は価格交渉促進月間でもあり、価格と支払条件をセットで見直すには比較的話を切り出しやすい時期にあたります。「いつ振り込まれるか」の条件は、売上の金額と同じくらい資金繰りに効きます。

経理の実務面では、手形の受け取り・取り立て・割引といった作業がなくなる代わりに、でんさいや振込の入金消込が増えることになります。入金と請求書の突き合わせを手作業でやっている会社は、請求書処理や入金消込のデジタル化とあわせて進めると、移行の手間を一度で済ませやすくなります。

法令の解釈や個別取引への適用は、事案によって判断が分かれます。契約条件の変更にあたっては、公正取引委員会・中小企業庁の相談窓口や専門家に確認してください。

今やるべきこと

出典

※本記事は2026年9月4日時点の公開情報にもとづきます。手形・小切手の受付終了時期は金融機関により異なる場合があります。法令の適用・契約条件の変更は、公式の相談窓口や専門家に確認してください。