補助金・助成金

自社に使える補助金の探し方|無料で調べる手順と見るべき項目

公開:2026.10.13 / AI導入参謀 編集部
自社に使える補助金の探し方|無料で調べる手順と見るべき項目

「うちでも使える補助金があるはずだけど、どこで調べればいいのかわからない」「ネットで検索すると広告や代行業者のページばかり出てくる」——そう感じている経営者は少なくありません。実は、補助金の情報は国や公的機関が運営する無料のサイトで、ほとんど調べられます。この記事では、自社に合う制度を見つけるまでの手順と、見つけた制度で最初に確認したい項目を、順番に一緒に整理していきます。

⏱ 忙しい人向け 3行まとめ

  • 探し始める前に「何に・いくら・いつまでに使いたいか」を1行で書く。目的が決まると、候補の制度がぐっと絞れる
  • 調べる先は「国の補助金」「自治体の補助金」「厚生労働省の助成金」の3方向。J-Net21・ミラサポplus・自治体サイトなど無料の公的サイトで足りることが多い
  • 候補が見つかったら公募要領で対象者・対象経費・締切・補助率の4点を先に確認。補助金は後払いで、公募回ごとに条件が変わる点にも注意

補助金探しは「目的を決める」ことから始まる

補助金探しの出発点は、制度の一覧を眺めることではなく、自社が「何に使いたいか」を先に決めることです。補助金はそれぞれ「省力化の設備」「ITツールの導入」「販路開拓」「新しい事業」など目的がはっきり決まっていて、目的に合わない投資にはそもそも使えません。

先に一覧から探すと、「補助額が大きいから」という理由で自社に合わない制度を追いかけてしまい、準備に時間をかけたのに対象外だった、ということが起きやすくなります。まずは次の3つを1行ずつ書き出してみてください。

🎯 何に使うか

例:電話の一次受付をAIにしたい/受発注をクラウド化したい/製造ラインに省力化設備を入れたい

💴 いくらくらいか

例:ソフトで年50万円前後/設備で500万円前後。見積の前でも「桁」だけ決めておく

📅 いつまでに

例:来年の繁忙期の前に稼働させたい。補助金は採択・交付決定の後に発注するのが基本なので、時期が大きく効く

「何に使うか」がまだぼんやりしている場合は、先に業務の棚卸しをしておくと、使える制度の見当がつけやすくなります。進め方は業務の棚卸しのやり方で解説しています。

補助金を調べる先は「国・自治体・助成金」の3方向

中小企業が使える制度は、大きく分けて国の補助金、都道府県・市区町村の補助金、厚生労働省の助成金の3つの方向から探すのが目安です。それぞれ性格が違うので、特徴を押さえておくと探す順番を決めやすくなります。

種類主な例特徴
国の補助金デジタル化・AI導入補助金、省力化投資補助金、ものづくり補助金、持続化補助金など
  • 補助額が大きめ
  • 審査があり、採択されないこともある
  • 公募期間・締切が決まっている
自治体の補助金都道府県・市区町村のDX推進、設備導入、販路開拓の補助金など
  • 地域の事業者向けで、国より競争が少ないこともある
  • 予算に達すると早めに締め切られることがある
  • 国の制度と同じ経費に使えるかは要綱しだい
厚生労働省の助成金業務改善助成金、人材開発支援助成金、キャリアアップ助成金など
  • 雇用・賃上げ・人材育成が目的
  • 要件を満たせば受給できるものが多い
  • 通年で受け付けている制度もある

AIツールや省力化設備の導入なら、まず国の補助金から当たり、あわせて自社の所在地の自治体の制度を確認するのが現実的です。賃上げや研修をセットで考えているなら、助成金も候補に入ります。それぞれの制度の違いはAI導入に使える補助金・助成金 完全ガイドにまとめています。

⚠️

制度は公募回・年度で変わります

補助金・助成金の金額、補助率、要件、締切は、公募回や年度によって変わります。この記事は2026年10月時点の一般的な調べ方を整理したもので、個別の制度の条件は最新の公募要領・公式サイトで確認し、判断に迷う点は事務局や専門家に相談してください。

無料で使える補助金の探し方と、サイトの使い分け

補助金の情報は、公的機関が運営する無料サイトを2〜3か所使い分けるのが基本形です。民間の比較サイトにも便利なものはありますが、最後は必ず公式の情報に戻って確認するのが前提になります。

調べる先向いている使い方
J-Net21(中小機構)の支援情報ヘッドライン国・自治体の支援策をまとめて探す。「補助金・助成金」の種類と地域、目的で絞り込める
ミラサポplus(中小企業庁)国の主要な補助金の公募・採択のお知らせを追う。支援策を目的や地域から探す機能もある
jGrants(デジタル庁)電子申請に対応した補助金を探し、そのまま申請する。申請にはGビズIDが必要
都道府県・市区町村の公式サイト地域独自の補助金を確認する。「産業振興」「商工」などのページに載っていることが多い
厚生労働省・労働局のサイト雇用関係の助成金を確認する。賃上げ・研修・設備投資をセットで考えるときに

探す順番は、次の4ステップにしておくと迷いにくくなります。

  1. STEP1:目的のキーワードで横断検索する

    J-Net21の支援情報ヘッドラインで、地域を自社の所在地にし、「AI」「省力化」「IT導入」など目的の言葉で検索する。国・自治体の制度をまとめて一覧できる

  2. STEP2:国の主要制度は公式サイトで直接確認する

    候補に挙がった国の補助金は、ミラサポplusや各制度の事務局サイトで、今どの公募回が受付中か、次の締切はいつかを確認する

  3. STEP3:所在地の自治体サイトを見る

    都道府県と市区町村の両方を確認する。市区町村の制度は横断検索に載りきらないこともあるため、公式サイトや広報紙も見ておく。自治体の制度の探し方は自治体のAI・DX補助金の探し方で詳しく解説している

  4. STEP4:候補を表にまとめる

    制度名・対象経費・補助率・上限・締切・公式URLを1行ずつ書いた表にする。社内で相談するときにも、そのまま使える

締切の時期をまとめて把握したい場合は、AI導入参謀のAI・補助金カレンダーも使えます。公募の開始・締切・採択発表の日付を、出典つきで一覧にしています。

候補が見つかったら公募要領で最初に見る4項目

候補の制度が見つかったら、公募要領の「対象者」「対象経費」「締切」「補助率・上限額」の4項目を最初に確認するのが目安です。公募要領は数十ページに及ぶことも多いですが、この4項目で「自社が申請できるか」の大半は判断できます。

4項目のうち、見落としが起きやすいのは対象経費です。たとえば同じAIツールでも、初期設定や研修の費用は対象になるのに、数年分の利用料は一部しか認められない、といった線引きがある制度もあります。見積の明細ごとに「対象になるか」を確かめるつもりで読むと、申請後の手戻りが減りやすくなります。わからない点は、公募要領の巻末にある問い合わせ先(事務局のコールセンターなど)に聞くのが確実です。

この4項目で「使えそう」と判断できたら、次に審査の加点項目や、申請に必要な書類(決算書、見積書、事業計画など)を確認します。申請までの具体的な流れはデジタル化・AI導入補助金の申請の流れ、事業計画の書き方はAI補助金の事業計画の書き方を参考にしてください。

遠回りになりやすい探し方

補助額の大きい順に制度を調べ、使い道をあとから当てはめる。検索で最初に出てきた代行業者のページの説明だけで判断する

近道になりやすい探し方

使い道と時期を先に決め、公的サイトで候補を3つ前後に絞る。公募要領の4項目を確認してから、必要なら支援機関に相談する

締切に間に合わせるための事前準備

補助金は、見つけてから準備を始めると締切に間に合わないことがあるため、探すのと並行して共通の準備を進めておくのが現実的です。多くの国の補助金で共通して必要になるものは、あらかじめそろえておけます。

🔑 GビズIDプライム

電子申請に使うアカウント。取得に日数がかかることがあるため、制度が決まる前に申請しておくと安心

📂 決算書・納税証明など

直近の決算書や、制度によって納税証明書・履歴事項全部証明書などが求められる。すぐ出せる場所にまとめておく

🧾 見積書

導入したいツール・設備の見積。補助金を使う予定であることを、最初に販売店へ伝えておく

また、補助金は原則として後払いです。いったん全額を支払い、実績報告のあとに補助金が入金される流れになるため、その間の資金繰りも考えておく必要があります。詳しくは補助金は後払い|自己負担分と資金繰りの準備で解説しています。

つまずきポイント

「補助金が使えるから導入する」になってしまう

補助金を探しているうちに、本来の目的よりも「補助が出るもの」を選びたくなることがあります。補助金があっても自己負担は残り、導入後の月額費用や運用の手間は自社で担うことになります。補助金がなくても導入したいかどうかを一度考えてから申請に進むと、導入後の後悔が起きにくくなります。費用対効果の考え方はAI導入の削減効果シミュレーターでも試算できます。

「必ず採択」「手数料だけで申請できる」という勧誘をうのみにする

補助金を調べ始めると、電話やメールで申請代行の勧誘を受けることがあります。採択は審査で決まるため、結果を約束できる人はいません。不正な申請に巻き込まれると、補助金の返還を求められるのは申請した会社です。相談するなら、商工会・商工会議所、よろず支援拠点、認定経営革新等支援機関など、公的な窓口から当たると安心です。

よくある質問

Q. 補助金と助成金はどう違いますか?

A. 一般に、補助金は経済産業省・中小企業庁などの制度で、審査があり、予算や採択数に限りがあります。助成金は厚生労働省の雇用関係の制度が中心で、要件を満たせば受給できるものが多いのが特徴です。ただし、名前だけで性格が決まるわけではなく、自治体には「助成金」という名前で審査がある制度もあります。個別の制度の条件は、公募要領や公式サイトで確認してください。

Q. 補助金の情報を見逃さないためには、どうすればいいですか?

A. 自社が使いそうな制度を2〜3個に絞り、その事務局サイトとミラサポplusのお知らせを月に1〜2回確認するのが現実的です。自治体の制度は、所在地の商工会・商工会議所のメールマガジンや会報で案内されることもあります。締切の一覧はAI・補助金カレンダーでも確認できます。制度は公募回で変わるため、最新は公式で確認してください。

Q. 個人事業主でも補助金は使えますか?

A. 持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金など、個人事業主も対象になる制度は多くあります。ただし、対象になるかどうかは制度・公募回ごとに決まっており、開業届の提出や確定申告の実績などが条件になる場合もあります。公募要領の「補助対象者」の項目で確認してください。個人事業主の場合の考え方は個人事業主・小規模事業者が使えるAI補助金も参考になります。