ChatGPTに「プライバシーセンター」|個人と仕事のアカウント併用も可能に、中小企業にとっての意味

OpenAIは2026年9月21日、ChatGPTのメモリ・データの使われ方・連携アプリ・アカウントの安全性などをまとめて確認できる「Privacy Center(プライバシーセンター)」の提供を開始しました。その数日前には、プラグインに個人用と仕事用のアカウントを同時につなげる機能も加わっています。社員がChatGPTを業務で使っている会社にとって、設定と社内ルールを見直すよい機会になりそうです。
⏱ 忙しい人向け 3行まとめ
- 事実:2026年9月21日、プライバシー関連の情報と設定への入口をまとめた「Privacy Center」が無料版〜Businessで順次提供開始。9月17日にはプラグインへの複数アカウント接続が全プランで可能に
- 意味:設定の意味を社員が自分で確認しやすくなる一方、個人アカウントと仕事のアカウントが同じ会話に混ざりやすくなる点は、社内ルールで扱いを決めておきたいところです
- アクション:Privacy Centerで自社のプランの設定を一度確認し、「業務でつないでよいアカウント」を社内ルールに1行加える
発表の事実
確認できた事実は「プライバシー関連の設定の説明と入口が1か所にまとまった」ことと「プラグインに複数のアカウントを接続できるようになった」ことの2点です。OpenAIのリリースノートとヘルプ記事で確認できた内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容(公式ヘルプより) |
|---|---|
| Privacy Centerの提供日 | 2026年9月21日。サインインしたFree・Go・Plus・Pro・Businessのユーザーに順次提供(Web・iOS・Android)。Enterprise・Edu・ChatGPT for Healthcareは今回の対象外 |
| 開き方 | Webはアカウントメニュー →「ヘルプ」→「Privacy center」。モバイルは「設定」→「Privacy Center」 |
| まとめられた項目 | メモリ、広告のパーソナライズ、位置情報、一時チャット、プラグイン・連携アプリの権限、多要素認証(MFA)、モデル改善へのデータ利用、データのエクスポート・削除など |
| 設定との関係 | 設定そのものは従来どおり「設定」画面にある。Privacy Centerは各設定の説明と、その設定への移動を担う。開くだけで設定が変わったり、データが消えたりはしない |
| Businessでの扱い | 会社の管理者の設定・保存期間の方針を上書きしない。Businessのワークスペースの内容は、既定でモデルの学習に使われない。セルフサービスのデータエクスポートはBusinessでは利用できない |
あわせて、2026年9月17日のリリースノートでは次の変更も告知されています。
- プラグインへの複数アカウント接続:これまでのGmail・Googleカレンダー・Googleコンタクトに加え、対応範囲を広げて個人用と仕事用のアカウントを同じ会話に持ち込めるようになった
- 対象:すべてのChatGPTプラン、Web・モバイル・デスクトップ
中小企業にとっての意味
中小企業にとっての意味は、「設定の意味を確かめやすくなった」という前進と、「個人と仕事の情報が混ざりやすくなる」という注意点が同時に来ている、という点にあります。
1つ目は、社内でAIの設定を説明しやすくなる点です。これまで「入力した内容は学習に使われるのか」「メモリは何を覚えているのか」は、ヘルプ記事を探して読まないと分かりにくいところでした。Privacy Centerで項目ごとに説明と設定の入口がまとまったことで、社員に「ここを開いて確認して」と案内しやすくなったとみられます。IT担当がいない会社でも、設定確認の手順を社内で共有しやすくなりそうです。
2つ目は、プランによって扱いが違うことが見えやすくなる点です。公式ヘルプでは、Businessのワークスペースの内容は既定で学習に使われない一方、個人アカウントでは「モデル改善」の設定で本人が選ぶ形と説明されています。同じChatGPTでも、どのアカウントで使うかでデータの扱いが変わることを、社員自身が確かめられるようになります。
3つ目は、複数アカウント接続で「混ざる」リスクが出てくる点です。個人のGmailと会社のGmailを同じ会話でつなげられるのは便利ですが、社外秘の資料と個人のメールが同じ会話に並ぶ状況も起きやすくなります。特に社員が個人のChatGPTアカウントに会社のアカウントを接続するケースでは、会社のデータが個人向けプランの設定のもとで扱われることになるため、ここは社内ルールで方針を決めておきたいところです。
ありがちなつまずき:「会社で契約しているから安心」と思い込む
会社でBusinessを契約していても、社員が個人アカウントでログインしていれば、その会話は会社の管理の外になります。プライバシーの設定は「どのアカウントで使っているか」が出発点です。まず社員がどのアカウントでChatGPTを使っているかを把握するところから始めると、設定の見直しも進めやすくなります。
今やるべきこと
今やるべきことは、Privacy Centerを使って自社のプランの設定を一度確認し、アカウントの使い分けを社内ルールに書いておくことです。
- Privacy Centerを開いて、メモリと連携アプリの状態を確認する:まずは管理者や社長自身のアカウントで開き、どんな項目があるかを見ておくと、社員への案内がしやすくなります
- 「業務では会社のワークスペースで使う」をルールにする:個人アカウントで社内の資料やメールを扱わないよう、社内ルールに1行加えておくと安心です
- プラグインに接続してよいアカウントを決める:会社のメール・カレンダー・ファイル共有を、個人のChatGPTアカウントにつながない方針を明記しておくのが現実的です
- 多要素認証(MFA)の設定を確認する:業務で使うアカウントは、MFAを有効にしておくと乗っ取り対策になります
社内ルールをまだ作っていない場合は、生成AIの社内ルール・ガイドラインの作り方のテンプレートに「アカウントの使い分け」の項目を足す形が手間の少ない方法です。
※本記事は2026年9月22日時点の公開情報にもとづきます。対象プラン・画面の名称・設定項目は、プラン・地域・ワークスペースの設定によって異なり、今後変更されることがあります。最新は必ず公式情報で確認してください。
出典
本記事の事実部分は、次の一次情報にもとづいています。
- OpenAI Help Center「Privacy Center in ChatGPT」
- OpenAI Help Center「ChatGPT Business release notes」(2026年9月21日の項)
- OpenAI Help Center「ChatGPT — Release Notes」(2026年9月17日・21日の項)
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